QDAソフトとは?

QDAソフトは質的研究を支援するソフトウェアです。CAQDASとも呼ばれています。

NVivoの画面キャプチャー

※ QDA - Qualitative Data Analysis -質的データ分析

※ CAQDAS - Computer Assisted/Aided Qualitative Data Analysis Software -質的データ分析支援ソフトウエア


質的研究では質的データを扱います。質的データはテキスト、インタビューなどの直接数値で測定できないデータです。質的データとは対照的に、数値データを使用したものは量的データと呼ばれます。混合研究法(ミックスメソッド)では、この質的データと量的データの両方を扱います。

QDAソフトは質的データを効率的に扱い、研究・調査を支援するためのソフトウェアです。大量のテキストや、様々な形式の質的データに対して深いレベルの分析を必要とする質的研究の研究者を対象として開発されています。

その設計思想は研究者が質的データを解釈し、それらに対してコード化・カテゴリー化を行い、そこから重要な概念を見つけ出すという、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)に基づいており、以下の機能を備えています。

  • ・データ管理機能
  • ・テキストデータ中の選択された部分に簡単にコードを付けるための機能
  • ・作成済のコードを効率良く検索・再利用するための機能
  • ・コードとカテゴリーとのリンク関係を管理する機能
  • ・コードやカテゴリーの関係性を視覚的に提示する機能

 

 

QDAソフトのサポートする質的研究とは?

質的研究は定性的研究とも呼ばれます。インタビュー、観察結果、自由回答形式のアンケート等のテキスト、音声、ビデオ、画像、ソーシャルメディア等の数値化できないデータである質的データ・定性データをもとに問題を調査したり、現象の理解、疑問への答えを見つけていく研究・調査方法が質的研究・定性的研究です。

社会学、心理学、経営学、文学、言語学、哲学、医療、看護などの分野で多く用いられています。

質的研究のイメージ画像

 

QDAソフトの主な機能とメリット

QDAソフトの主な機能には以下のものがあります。

データ管理

QDAソフトでは、文章などのテキストや音声、動画、画像、ウェブページ、スプレッドシートといった多様な形態の質的データを一括して管理すると同時に、注目したいデータ部分にラベルを張る「コーディング」と呼ばれる作業を中心に、種々のデータ整理を行うことができます。

取り込んだデータは簡単に検索することが可能です。また、データファイル、データ内部にメモを付けることも可能です。

コーディング

PDFのコーディング画像

紙と手作業によって分析を進める場合、データのセグメント化を行うには、インタビューのトランスクリプション等のデータ全体の印刷物から、特定の部分をハサミで切り取る必要があります。

また、オリジナルのデータを残すためにはコピーを取る必要もあります。Wordやエクセルといった汎用のソフトウェアを使う場合でも、トランスクリプションのデータファイルから切り取りたいデータ部分をコピーして、分析作業用のファイルにペーストする必要があります。

しかし、QDAソフトを使えば、こうした元データのコピー&ペーストという作業は不要になります。 さらに、コーディング結果から元データを簡単に参照できます。この部分はどういった文脈だったのか等、元データを参照したくなったときの行き来も簡単です。

NVivoでは、発言者ごとに自動でコーディングすることも可能なので、特定の発言者の発言を抜き出すといったことも簡単です。

分析過程の可視化

作業ログが残るため、どのような作業をおこなったかを後で確認することができます。 コーディングの元データ参照、作業ログの参照が可能なので、研究結果の妥当性を、すぐに第三者にエビデンスとして提示することも可能です。

QDAソフトを使用すると研究のトレーサビリティを向上させることができます。

データ分析支援

頻出語の可視化、ワードツリー、グラフ作成などで様々な要素を可視化・比較することが可能です。 ミクロとマクロの視点を容易に行き来できるので、より正確で客観性のある分析が可能になります。

また、データに潜在する予想外のトピックを発見することも可能です。

クラスター分析ツールの画像 円マップ クラスター分析ツールの画像 3Dマップ

 

 

QDAソフトの可能性と限界

QDAソフトは効率良くデータを整理、分類することで最終的に人間の分析を支援します。 しかし、質的データ分析におけるもっとも本質的な手続きである、重層的な文脈の解明および現場の言葉と理論の言葉の往復という2つの作業、それ自体を自動化することはできません。

データを整理して纏めることはできますが、最後は人間が分析、解釈しなければなりません。

質的研究における収集、整理、分析を支援

QDAソフトはデータの収集や、整理、分析、アイデアの獲得を支援するツールです。 研究のデータに関わる手続きをソフトウェアが効率化することで、人間の効果的な分析を可能にする。そこにQDAソフトの特長があります。

QDAソフトの代表的ソフトであるNVivo

QDAソフトの代表的ソフトであるNVivoは質的データを扱う定性研究や、質的データと量的データを組み合わせた混合研究法(ミックスメソッド)をサポートします。

NVivoはコーディング機能を概念の構築手段としてのみ捉えるのではなく、量的データとの関連づけや自動コードにも使用することで混合研究法やテキストデータの計量的な分析に対応しています。

Nvivo 12 ロゴ


 


参考文献

佐藤郁哉,2015,「質的データ分析の基本原理と qdaソフトウェアの可能性( 特集 労働研究と質的調査)」『日本労働研究雑誌』57(12):81-96
樋口麻里,2017,「質的データ分析支援ソフトウエアの機能と背景にある考え方―Atlas.ti7 と NVivo11 の比較から」『年報人間科学』. 38 P.193-P210
樋口麻里,2018,「質的調査法の教育におけるQDAソフトウェア利用:MAXQDA12を事例として」『年報人間科学』. 39 P.29-P43
稲葉光行・抱井尚子,2011,「質的データ分析におけるグラウンデッドなテキストマイニング・アプローチの提案― がん告知の可否をめぐるフォーカスグループでの議論の分析から ―」『政策科学』.18巻 3号 P.255-P 276

 

 

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