学術論文に磨きをかける実践的ヒント6選 後編

前編では、「無駄な言葉の省き方」、「略語や表現の避け方」、「主張を的確に表す言い回し」についてご紹介しました。後編では「客観的かつ淡々としたトーンの語り方」、「 修飾語を控えめな使い方」、「読者が読みやすいような整理の仕方」についてご紹介します。

4. 客観的かつ淡々としたトーンで語る

優れた学術英語は非人称的に書かれていますが、それは決して大げさで退屈であるという意味ではありません。最近では一人称で書かれる論文も珍しくありませんが(むしろ、一人称を推奨するジャーナルもある)、依然として多くのジャーナルでは、受動態の使用が推奨されています。

例:「we recorded the observations(観測結果を記録した)」ではなく、「the observations were recorded(観察結果が記録された)」、「many researchers believe(多くの研究者が〜と信じている)」ではなく「It is widely believed(広く信じられている)」、「we surveyed(調査を行なった)」ではなく「a survey was undertaken(調査が行われた)」

受動態が好まれる状況は、行動者よりも行動自体に焦点が当てられている場合です。つまり、「誰がやったか」よりも、「何をやったか」が重要である場合です。

非人称的な文章を書く際の明らかなミスと言えるのは、「interesting(面白い)」や「remarkable(素晴らしい)」などの形容詞を使うことです。あなたの研究結果が面白い/素晴らしいかどうかは、読者が決めることなのです。

5. 修飾語を控えめに使う

科学は真実を探求する学問ですが、普遍の真理がそうそう見つかるものではないことも科学者は知っています。新たな事実が明らかになると、それまで信じられていた真実は過去のものになってしまうことがあります。より高性能な顕微鏡、より高感度な機器、より高度な分析手法は、それ以前には知ることが不可能だった物質世界の新たな側面を明らかにします。

これらの理由から、科学界で強調語が使われることはほとんどありません。このような言葉は、広告やマーケティングにおいては優れた宣伝文句となりますが、研究論文では歓迎されません。論文では通常、「to our knowledge(我々の知る限りでは〜)」や「under laboratory conditions(実験室の条件下において〜)」、「it is likely that(〜である可能性が高い)」などの言い回しが使われます。

ただし、このような控えめな言葉(ある意味で「保険」と言える言葉)も、使いすぎは禁物です。修飾語は、1文中に1つあれば十分です。

たとえば、「may」と「possible」、「indicate」、「suggest」の併用は避けましょう(避けるべき例:「It may be possible that(可能性があるかもしれない)」、「These observations may indicate that(これらの結果は〜を示唆している可能性がある)」、「Such features probably suggest that(このような特徴は、おそらく〜と考えられる)」)。

過度に保険をかけると、文章の説得力が弱まってしまいます。

6. 読者が読みやすいように整理する

優れた学術文書は、論理的に構成されています。多くの分野で、ジャーナルはIMRaD形式(イントロダクション、材料および方法、結果、考察)で論文を書くよう著者に求めています。ただし、この形式で書いたとしても、何らかの整理作業は必要です。

たとえば、結果セクションで方法セクションの見出し順通りに結果を示せば、読者は、各実験の内容とその結果を照合しやすくなります。同様に、イントロダクションでは幅広い話題から始めて徐々に焦点を絞り、最後に具体的な研究目的や研究課題について述べるとよいでしょう。

まとめ

ライティングは、体系的な訓練を積むことで習得できるスキルです。論文執筆は作文の一種であり、慣例と規範があります。査読者は、それらに習熟することを著者に求めています。したがって、この要求を満たせば、好印象を与えることができるはずです。



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