ジャーナル選びのガイド:正しい選択をするために

出版競争で勝つためには、ジャーナル選びという厄介な難関を越えなければなりません。4万を超える査読付きジャーナルと1万を超えるオープンアクセスジャーナルの中から、自分の論文にふさわしいジャーナルを選ぶことは、至難の業です。

加えて、査読に時間がかかること、ジャーナルの対象領域とのミスマッチによるリジェクト率の高さ、増え続けるハゲタカジャーナルの存在は、ジャーナル選びをさらに難しくしています。

ジャーナル選びは、研究者としてのキャリアや評価のほか、研究予算を確保できるかどうかを直接的/間接的に左右する可能性もあります。したがって、確かなジャーナルを選ぶことは、きわめて重要なタスクと言えます。

この記事では、ジャーナル選びのプロセスを簡略化することを目指して、ジャーナル選びの際に考慮・確認すべき点をまとめました。

1. 投稿先ジャーナルの選び方のコツ

ジャーナル選びは、膨大なジャーナルの中からたった1誌を選ぶ作業です。エルゼビアだけでも2,500誌ものジャーナルを出版しているので、まずは選択肢を絞る必要があるでしょう。このためには、普段から読んでいるジャーナルを見直したり、自分の研究テーマと似た論文を検索してその掲載元を調べたりしてみましょう。

また、同僚や上司をはじめとする所属先の人にお勧めのジャーナルを聞いたり、関連するキーワードでオンライン検索をして、分野のトップジャーナルを把握したりすることも重要です。

押さえておくべきもう1つの重要ポイントは、ジャーナルが、対象領域を非常に具体的に定めている場合があるということです。広い研究分野内の特定の面にのみフォーカスしているジャーナルもあるので、ジャーナルを選ぶ前に、必ず全面的な確認を行うようにしましょう。

また、論文タイプの制約などを含め、ターゲットジャーナルのaims and scope(目的と対象領域)をよく理解するために、公式ウェブサイトを必ず確認しましょう。この確認を怠ると、リジェクトの可能性が高まります。

アクセプトされる可能性が高そうなジャーナルを選ぶことも大事ですが、出版後に見つけられやすく読まれやすいことも同じくらい重要です。したがって、ジャーナルの知名度、読者数、読者層、インパクトも、投稿先ジャーナルを決める上で考慮すべき要素と言えます。

これらを確認するためには、分野のデータバンクに収載されているか、オンラインデータベースに登録されているか、オンラインで公開されているかどうかを調べます。知名度や読者数を調べたら、類似分野を扱っているジャーナルと比較してみましょう。

以上のチェックを終えたら、自分の論文に適さないジャーナルは、候補リストから除外されているはずです。ここからは、投稿規定、審査/出版までに要する時間、出版費用、OAの選択肢の有無、査読プロセス、アクセプト率/リジェクト率などの要素を考慮しながら、ターゲットジャーナルをさらに絞り込んでいきましょう。

これらの基本的なチェックを行うことで、選択肢は3誌程度に絞られるでしょう。

<ワンランク上のヒント>

一部の出版社は、自社のジャーナル間での論文の共有を認めています。したがって、このようなジャーナルを選んでおけば、万が一最初の投稿先からリジェクトされた場合に、再投稿や書式の再調整の手間、場合によっては査読にかかる時間も節約できるかもしれません。

2. 3つのポイントをチェックして、ハゲタカジャーナルを炙り出す

ジャーナル選びのプロセスの中では、新興ジャーナルや未知のジャーナルに出くわして、その信頼度を判断できないこともあるかもしれません。そのようなときは、ジェフリー・ビオール(Jeffrey Beall)氏のハゲタカ出版社・ジャーナル のリストにそのジャーナルが載っているかどうかを確認しましょう。

リストに載っていない場合は、次の3点をチェックして、ジャーナルの信頼性を確かめましょう。

<ポイント1>

ジャーナルのウェブサイトに、言語や文法のミスがないか確認しましょう。このようなミスの有無は、ジャーナルの業務基準の指標となります。また、ハゲタカジャーナルでは、著者に投稿費用を請求しておきながら、論文は出版しないままにするということがよくあるため、費用請求について詳しく記載されているかどうかを確認しましょう。

<ポイント2>

ジャーナルの出版プロセスをチェックして、編集者や査読者による審査の有無を確かめましょう。ジャーナルのバックナンバーに目を通し、ほかの論文の質を確認しましょう。

また、ジャーナルの連絡先が詳細に書かれているどうかも重要です。さらに、指導教官や同僚に聞いて、ジャーナルの評判や知名度を確かめましょう。

<ポイント3>

ウェブサイトを調べるか直接問い合わせるなどして、そのジャーナルが、オープンアクセス学術誌要覧(Directory of Open Access Journal、DOAJ)、出版規範委員会(Committee on Publication Ethics、COPE)、オープンアクセス学術出版社協会(Open Access Scholarly Publishers Association、OASPA)、国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers)などの会員であるかどうかを確認しましょう。

これらの一流の専門団体に所属しているかどうかは、ジャーナルの基準を示すものであり、ジャーナル選びにおける補足的なチェックの役割を果たします。また、研究者に個別のメールで論文投稿を求めたり、編集委員に勧誘したりするのは、ハゲタカジャーナルの常套手段です。したがって、編集委員会に著名な研究者が含まれているかどうかも、判断材料の1つとなるでしょう。

まとめ

どれほどインパクトのある論文でも、ジャーナルの目的と対象領域にマッチしていなければ、リジェクトされてしまいます。だからこそ、ジャーナル選びのプランはしっかり練る必要があります。



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