オープンアクセスに関する質問トップ8

オープンアクセス(OA)は、研究を最大限に露出し、インパクトを高めてくれるものであるだけでなく、研究活動を円滑に進めるための手段でもあります。多くの学術団体・助成団体・研究者たちがOAを支持しており、その潜在的メリットの認知度を高めようと活動しています。オープンアクセスウィークも、そのような目的を果たすための取り組みの1つです。

しかし、とくに学術出版に関する経験が比較的浅い研究者は、OA出版にさほど積極的でない傾向があります。これは、OAに関する噂やよくある誤解が大きな要因になっていると言えます。エディテージ・インサイトも、OA出版に懐疑的な著者からアドバイスを求められることがよくあります。彼らがOA出版に懐疑的になる要因とは、どのようなものなのでしょうか。

以下に、当サイトの読者から実際に寄せられた質問を紹介します。これらはOAに関してもっとも頻繁に聞かれる質問です。それぞれに対する回答の概要も併せて紹介します。ここから、研究者たちがどのような情報を知りたがっているのかを見て取ることができます。本記事がOA支持者にとって、どのような情報をもって啓蒙活動に取り組むべきかの指針になれば幸いです。

Q1. ジャーナルの出版形式におけるOAモデルと購読モデルの違いは何ですか?

購読モデルでは通常、コンテンツを読む読者に対して料金を請求します。一方、OAモデルでは、コンテンツはオンラインで無料公開されます。つまり、購読モデルでは、そのジャーナルを購読している人しか論文を読むことができないのに対し、OAモデルでは誰でも自由にコンテンツにアクセスできます。

また、購読モデルでは論文の著作権がジャーナルに移るのが一般的であるのに対し、OAモデルでは著者が著作権を保持し、共有や再利用が可能なクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC license)を利用するのが一般的です。ただし、ほとんどのOAジャーナルは、論文がアクセプトされた著者に対して、論文掲載料(APC)を請求します。

Q2. 機関リポジトリに登録している論文を、別のリポジトリやジャーナルに投稿することは可能ですか?

論文を複数のリポジトリに登録することに、倫理的な問題はありません。ただし、一方に修正を加えた場合は、別のリポジトリに登録しているものにも同様の修正を加えなければなりません。さもないと、オンラインであなたの論文を検索した読者が、異なるバージョンがあることに混乱してしまいます。

Figshareのような定評のあるリポジトリに論文を登録するなら、別のリポジトリにも同時に登録する必要はないでしょう。それでもプレプリントを複数のリポジトリに登録するという場合は、それぞれのリポジトリが複数登録に制限を設けていないかどうかを確認しておきましょう。

また、プレプリントを完全な論文として仕上げ、査読付きジャーナルに投稿することにも、まったく問題はありません。むしろ、プレプリントは積極的にジャーナルに投稿すべきでしょう。

Q3. ジャーナルへの投稿費用は、論文のアクセプト/リジェクトにかかわらず、支払わなければならないのでしょうか?

OAモデルでは、一般的に著者がジャーナルに論文掲載料(APC)を支払います。したがって、投稿や査読には一切費用が発生しません。費用が発生するのは、論文が出版のためにアクセプトされた場合に限ります。リジェクトの場合は、費用を支払う必要はありません。投稿の時点でAPCを請求してくるジャーナルには警戒が必要です。

Q4. オープンアクセスフィーについて教えてください

論文掲載料(APC)の額は、ジャーナルや出版社によって異なります。ある調査によると、ジャーナルの中には5000ドルを超える金額を設定しているところもあるようです。他方、たとえば学会や非営利の出版社が発行しているジャーナルなどは、APCを一切徴収していません。

Q5. PLOS ONEに論文を投稿し、Figshareでデータをシェアする予定なのですが、著作権について教えてください。

PLOS ONEは著者に対し、データ共有方針を順守し、データ利用ステートメントを提出することを求めています。論文タイプ別のデータ共有に関する具体的な要件については、PLOS ONEのウェブサイトをご覧ください。

FigshareのデータセットやメタデータはCC0ライセンスで公開されるので、データセットはパブリックドメインとして公開されることになります。このため、データ再利用のための法的制約は緩くなります。Figshareのデータ利用者は、データ所有者に再利用について事前に申し出る必要はないものの、出典を明記することが求められます。FigshareのデータにもDOIが付いており、引用が可能です。DOIを引用することで、ほかの研究者たちが元データにさかのぼりやすくなります

Q6. ジャーナルにAPCを割り引いてもらうようお願いしても問題ありませんか?

論文掲載料(APC)は助成団体、所属機関、または著者自身が負担するものです。一部の発展途上国の著者に対してAPCを割り引くなどの措置をとっているジャーナルもあります。また、予算が枯渇してしまった著者や、論文投稿に対する金銭的支援を受けていない著者が、APCの支払いを免除してもらうようジャーナルに要求するケースは実際にあります。

投稿の時点で、APCの割引・免除を求める理由を説明するメールをジャーナルに送っておくことが望ましいでしょう。また、APC免除に関する要件が定められている場合もあるので、問い合わせる前にジャーナルの規定を読んで確認しましょう。

Q7. arXivについて教えてください

arXiv(アーカイブ)とは、物理学、数学、コンピューターサイエンス、計量生物学、計量ファイナンス、統計学、電子工学、システム科学、経済学などの分野の研究論文の電子ファイルを受け付けているリポジトリです。arXivは学術誌ではないので、ここで公開された論文は出版論文とはみなされません。

リポジトリに登録した論文は、プレプリント版として扱われるのが一般的で、同じ論文が学術誌で出版されれば、arXivのプレプリント版にDOIを追加することができます。また、arXivにアップロードされたファイルの著作権の状態は、それぞれ異なっている場合があります。論文のプレプリント版などをオープンリポジトリで公開(セルフ・アーカイブ)することを予定している場合は、そのリポジトリやターゲットジャーナルの方針を確認しておきましょう。

Q8. インパクトファクターが高い一流購読誌に論文をリジェクトされ、同じ出版社が発刊しているOA誌(インパクトファクターなし)に再投稿することを薦められました。この提案に従うべきですか?

著者は、どのジャーナルで論文を出版するかでなく、論文を出版することで何を達成したいか、という点を明確にしておくことが重要です。ジャーナルの出版モデルとインパクトファクターの関係は、気にしないようにしましょう。それよりも、自分が何を優先したいのかを確認してください。論文をより多くの人に読んでもらいたいならOAジャーナルが適していますし、名声を高めることが目的なら、インパクトファクターの高いジャーナルで論文を出版することが近道になるでしょう。

論文を同じ出版社の別のジャーナルに再投稿することを検討する場合は、分野内で定評のある他のジャーナルと比べてみましょう。そのジャーナルで論文を発表した経験のある同僚はいますか?先行論文でこのジャーナルの論文は引用されていますか?同じ出版社の別のジャーナルに再投稿する場合も、論文にとって最適なジャーナルを選ぶときと同じ要領でジャーナルを評価してください。



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