剽窃行為を事前に防ぐためにできること

限られた時間と不慣れな英語のせいで、論文原稿で意図しない剽窃行為を行なってしまうケースがあります。ジャーナルは、こうしたケースを倫理的な出版行為の侵害とみなし、多くの場合、その論文をリジェクトします。そうなると、研究者としての著者の評判と信用にも傷がつくことになります。

今回は、剽窃行為とは何か、どのような種類があるか、またどのように剽窃行為を防ぐことが出来るか、そして剽窃検知ソフト「iThenticate」の使い方について明らかにしていきます。

剽窃行為とは

メリアム・ウェブスターのオンライン辞書では、剽窃行為について「本人に言及することなく他人の言葉やアイデアを使用する行為」と説明しています。

言い換えれば、出典を明記せずに他の誰かの考え、アイデア、言葉、文章、研究結果を使ったり、それらを自分のオリジナルの著作物として報告したりすることが剽窃行為とみなされます。

剽窃の種類

  1. 故意の剽窃行為とみなされるケース

    時間管理を怠ったり時間的余裕をなくしたりした研究者が、先行研究について調査する時間や自分で文章を書く労力を惜しんで、別の著者の成果物を大幅に剽窃してしまうケースが頻繁に起きています。

    ・先行研究のクレジットを表示せずに、アイデアを自分のものとして発表する。
    ・研究で利用した技術について、技術の開発者のクレジットを表示しない。
    ・ほかの研究者の意見やアイデアを自分のものとして発表する。
  2. 予期・意図しない剽窃になるケース(Potentialities)

    参考文献を書くときに、ケアレスミスが発生することがあります。

    ・周知の事実
    ・文化的要因
    ・言語的要因
  3. 自己剽窃 になるケース(Perception)

    ・過去に自分が発表した論文の内容を、それらの論文のクレジット表示をすることなく、新たな論文または書籍に組み込む。
    ・本来は1本の論文として発表するべき内容であるにも関わらず、複数の論文に分割して出版する(サラミ出版)。

剽窃の検知

査読者やジャーナル編集者がもっとも発見しやすい剽窃は、先行論文の一節が一字一句そのまま使用されているものや、ごくわずかな変更しか加えられていないものです。以下の場合、査読者は剽窃を疑います。

  1. 文章によって文体が大きく異なる
  2. 文章によって英文レベルに大きな開きがある
  3. 文章に見覚えがある

現在では、大手出版社をはじめとする250社以上の出版社は、「iThenticate」による剽窃チェックを導入しています。剽窃チェックの結果が陽性の場合、論文は自動的にリジェクトされます。

意図しない剽窃を防ぐには

アカデミック・ライティングでは、論文内で参照したすべての先行研究を正しく引用しなければなりません。このことを肝に銘じておきましょう。研究で参照したすべての技術や背景について、そのソースを包括的かつ適切に示す必要があります。

  1. 引用符を使う
  2. 適切にパラフレーズする
  3. 文全体を引用する
  4. 「iThenticate」などの剽窃検知ソフトを使う

剽窃検知ソフト「iThenticate」とは

剽窃検知ソフト「iThenticate」は、学術論文:4,900万件以上、学術出版物:1億件以上、そしてWebサイト:600億件以上の過去文献と著者の原稿との類似性を比較します。

保有するデータベースの膨大さから剽窃検知ソフトの中でも「iThenticate」が多く利用されています。

「iThenticate」の使い方

  1. リジェクトされる重複度の目安: 多くのジャーナルは、剽窃ソフトが検知した類似文章をある程度まで許容しています。ただし、この許容範囲についてコンセンサスが得られているわけではなく、15〜20%程度の類似であれば許容するジャーナルが多いようです。

  2. セクション別の傾向と対策: 一般的に、編集者と査読者は方法セクションでの類似には寛容です。このセクションは、決まった用語とスタイルで書かれるのが普通なので、大幅に書き換えるのは難しいからです。類似の大半が方法セクションに見られるのなら、その旨をカバーレターでジャーナルに説明すると良いでしょう。その他のセクションでの類似なら、できるだけ文章を書き換えるよう努めてみましょう。

  3. イントロダクションや考察のセクションに類似が多い場合は、できる限り文章を言い換えるようにしましょう。ただし、結果のセクションに類似が多いとなると、問題です。このセクションでは、類似に細心の注意を払わなければなりません。

重複を指摘された単語の書き換えの目安:
6単語以上重複を指摘された箇所が連続していて、それらが置き換えることが可能な単語の場合、ジャーナルから重複とみなされないように、書き換えることをお勧めします。

まとめ

論文出版サイクルを円滑化するため、事前に防ぐことが出来るジャーナルからのリジェクトには備えていきましょう。

今回の記事は、『学術出版における剽窃行為』の記事をもとに再編集しております。



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