自身の研究を世界に広めるための8箇条

学術界は競争の世界です。一度論文を発表したら、後は椅子に深く腰掛けて、人々がそれを読んで称賛してくれるのを待つだけ…という時代は、とうに終わりを迎えました。


現代の研究者は、自身の研究を広く伝え、インパクトをもたらし、それを証明する責任を負っています。さまざまな経路を通じて論文を知れ渡らせれば、より多くの人々に読まれ、ダウンロードされ、引用されるので、h指数が上昇し、研究者としての評価も高まり、より有利な状況を築いていくことができるでしょう。


一方で、多くの研究者にとって、自身の論文を宣伝することに難しさを感じているようです。今回は、論文の出版戦略として、「自身の研究を世界に広めるための8箇条」を紹介します。



1. オープンアクセス関連の最新情報を常に把握しておく

多くの研究者に論文を見つけて読んでもらうためには、だれでも無料で読めるオープンアクセス出版に関する最新情報を常にキャッチしておくべきです。



2.ORCID iDを作る

ORCID iDは、非営利のORCID (Open Research and Contributor Identifier)が発行する16ケタのIDで、研究者個人を特定するため、同姓同名、所属機関の異動、表記の不統一などを解決する一意的かつ永続的なIDとして2012年10月からサービスが開始されており、参加・登録は無料です。


ORCID iDを作成することで、自身の研究成果を一つのIDに紐づけられるので、組織移動があった際や、同姓同名の研究者がいる場合などに有効です。このIDを、自分のオンラインやオフライン上のプロフィール(ResearchGate、LinkedIn、Twitter、職務経歴書、所属機関のウェブサイトなど)にも追加しておくとよいでしょう。



3.適切な論文タイトルおよびアブストラクトを用意する

論文を出版して宣伝したとき、人々がまず目にするのが、タイトルとアブストラクトです。読者の興味を惹く優れたタイトルとアブストラクトを用意することは、想像以上に重要です。



4.論文の掲載時期を把握し、宣伝効果を最大化する

アクセプトされた論文がいつ掲載されるのかを具体的に把握しておけば、宣伝効果が最大になるタイミングを計ることができます。論文の宣伝をするときは、リンク先(ハイパーリンクDOIなど)のURLを間違えないように気を付けましょう。



5. 論文の評価指標を追跡する

これは、ジャーナル単位のインパクトファクターにとどまりません。多くのジャーナルに掲載されている、論文単位の様々な評価指標(article-level metrics、ALM)を追跡することや、個人の影響度を示す代替的な指標を追跡することが可能です。


論文の拡散状況に関する適切な評価指標を追跡することで、自分の活動の紹介と説明がしやすくなります。また、研究の広がり度合いを実際のデータとして見ることはモチベーションの向上にも繋がり、傾向の把握や新たなチャンスに出会う可能性も高まります。早く追跡を始めれば、最初の日からさまざまな気付きを得られるでしょう。



6. オンライン上で自分の存在を構築、管理する

追跡の設定が整ったら、自分のオンラインプロフィールが一貫しているかどうかをチェックしましょう。まずは、自分自身と業績についての情報が掲載されているすべてのプラットフォームを書き出しましょう。


例)
- 個人のブログやウェブサイト
- 所属機関、学会、研究グループ、研究プロジェクトのウェブサイト
- Facebook、Instagram、Snapchat、Pinterestなどの仕事用SNSアカウントや、Twitter、LinkedIn、Google+などの任意のプラットフォーム
- ResearchGateやMyScienceWorkなどの研究に特化したプラットフォーム

リストが書き出せたら、いつでも編集できる状態にしておき、プロフィール画像、重要ウェブサイトへのリンク(関連する業績など)、略歴などを、各プラットフォームにふさわしいボリュームの範囲内でまとめましょう。


自己紹介文には、研究の動機や背景、業績など、興味を惹く詳細情報を含め、すべてのプロフィールにORCID iDを記載しましょう。



7. 論文に関するストーリーを、ターゲットを定めて発信する

オンライン上には、論文を直接共有できるプラットフォームだけでなく、論文にリンク可能なウェブサイト用コンテンツを作る方法もいろいろあります(所属機関のウェブサイト、ZME Scienceなどの一般サイト、著者や研究者向けの学習ポータルサイトなど)。


また、それぞれの論文に「物語」を付けることも効果的です。たとえば、自分の研究テーマが研究グループ内でどのように位置付けられているか、所属機関内でのどのような活動を代弁しているのか、助成団体の発展への貢献をどう体現しているかなどがあります。


掲載内容を考える際は、各ウェブサイトのコンテンツの様式やターゲット層を把握し、その上で、その層に向けた文章を書くよう心がけましょう。



8. 広報・マーケティング担当者を活用する

所属機関や地域のマーケティング、広報、コミュニケーション担当者が、論文を宣伝するための大きな助けになってくれるはずです。宣伝活動チェックリストを作成中の今こそ、彼らに協力を仰ぎ、活動をスムーズに進めるために自分に何ができるかを検討してみる絶好の機会です。


実際の支援が形になるまでに要する期間を確認しておけば、いつまでに素材を提供すればいいかといったスケジュールを立てやすくなります。


論文に関連したプレスリリースを発表してもらえる場合は、情報の送り先等、情報提供のガイドラインについて確認しておきましょう。Twitterを通じて宣伝をしてもらえる場合は、アカウント担当者や、ツイートに含める名前やハッシュタグを確認しておきましょう(相互フォローをお忘れなく!)。



まとめ

最後に、多くの人に論文への興味を持ってもらうための最善策は、良い研究を行うことが重要です。そのための努力を怠って、宣伝だけに力を入れることは徒労に終わります。日々質の高い研究を行いつつ、「自身の研究を世界に広めるための8箇条」を実践することで、より多くの方に認知され、インパクトを与えられるはずです。


現代の研究者たちが成果の露出度を高める方法についてのコメントやご意見がありましたら、ぜひシェアしてください。





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