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NVivoで修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA) 分析ワークシートを作成する


QDAソフト(質的研究支援ソフト)を導入する際に、既存の研究手法をどうやってソフト上で行うか悩まれている方も多いかと思います。

今回は質的研究の代表的な研究方法である修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA : Modified Grounded Theory Approach、以下M-GTAと表記)をNVivoでおこなうための設定、M-GTAのプロセスの一つになっている「分析ワークシート」のNVivo内での作成方法をご紹介します。

  1. M-GTAとは?
  2. NVivoでM-GTAをおこなうメリット
  3. 論文を取り込む
  4. ヴァリエーション(具体例)を加える
  5. 理論的メモを作る
  6. 理論的メモノートを作る

 

▼関連 「質的データ分析支援ソフト NVivo」

M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)とは?

木下康仁先生の考案したM-GTA(Modified/修正版 GTA)はグレーザーとストラウスが考案したオリジナル版GTAを抜本的に再編成し、研究法としての独自の位置づけ、そして、具体的なデータの分析方法までを体系化したものです。

分析ワークシートと呼ぶフォーマットを用い、ワークシートには概念名、定義、ヴァリエーション(具体例)、理論的メモの4つから構成されます。ワークシート外では理論的メモノートも使用します。

理論的メモに定義とはならなかった他の解釈案や、反対例や類似例などを、理論的メモノートには概念と概念の関係やカテゴリー相互の関係や、最終的なまとまりをめぐって着想されたアイデアを時間的流れで記録することで解釈を吟味し、研究者が意識せずに一定方向に解釈を進める危険をチェックすることができます。

修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ方法論の詳細については、M-GTAの提唱者である木下先生の著作『ライブ講義M-GTA 実践的質的研究法 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて』でご確認ください。

NVivoでM-GTAをおこなうメリット

M-GTAの分析ワークシートをワードやエクセルを利用して作成する事も可能ですが、QDAソフトであるNVivoを利用する事で、ワードやエクセルにはない以下のメリットがあります。

  • ・分析シートから元データへアクセスが容易に
  • ・収集した元データと研究者自身の考えるアイディアを明確に分けられる
  • ・概念同士の階層関係や相互関係の記録 etc…

分析ワークシートには概念名、定義、ヴァリエーション(具体例)、理論的メモが必要になります。 それぞれをNVivoの機能を利用して作成していきましょう。

論文を取り込む

概念名はNVivoの概念コードとして作成することができます。また、定義の部分はコードのプロパティ説明部分に記録しておくと良いと思います。

ナビゲーションビューから、「コード」をクリックし、リストビューの何も無い所を右クリック、「新規コード」をクリックします。

現れたウィンドウで概念名は「名前」に、定義は「説明」に入力して「OK」をクリックします。ここでは例として[新規概念]というコード名で作成してみます。

新しい概念名が作成されます。コード(概念)は先に作る必要はなく、データを読みながら作ることもできます。

作成後に定義を参照する場合には、コードを右クリックして「コードのプロパティ」を選択する事でいつでも定義を見返すことができます。

ヴァリエーション(具体例)を加える

ヴァリエーションは分析対象とするデータをNVivoに取り込んだ上で、概念名(コード)に関連づけて利用します。

まずはデータを読み込みます。

データの取り込みは左のナビゲーションビュー「データ」の「ファイル」を選択して、リボンの「インポート」タブより取り込みたいデータの種類を選択します(ex:ワードファイル等なら「ファイル」、エクセルファイルなら「アンケート」)。

取り込んだデータをダブルクリックするとプレビューできます。

左側のナビゲーションビューより、「コード」を選択すると、コード(概念名)の一覧が表示されます。

データのプレビュー画面から、ヴァリエーションに追加する部分をドラッグ&ドロップで選択し、更にそのテキストをドラッグし、概念名の所にドロップします。これで概念名に対してヴァリエーションが追加されました。

正常に概念とヴァリエーションが関連づけられるとソースとリファレンスの値が変化します。

関連付けが完了したら、コードをダブルクリックするとヴァリエーションを一覧できるようになります。テキストが表示されない場合は右の「リファレンス」タブをクリックします。こうして概念に関連づいているヴァリエーションを一覧で見返すことができるようになります。

これで概念名、定義、ヴァリエーションが記録できました。

理論的メモを作る

概念に対応する理論的メモを残す場合にはメモ機能を使います。
概念名の上で右クリックし、「メモリンク」>「新規メモへリンク」と辿ります。

名前を設定します。

新しく出来たメモ欄に、理論的メモとして検討記録や疑問、アイディアなどを記します。

作成した理論的メモは、いつでも概念名から右クリック>「メモリンク」>「リンクされたメモを開く」で戻ることができます。

また、メモは「ノート」の「メモ」として保存されています。このことから、自身のアイディアと元のデータは完全に分離しておくことが可能です。元データを編集してしまう心配もなくなります。

理論的メモノートを作る

理論的メモノートは概念からは独立しているので、メモ単体で作成します。左側のナビゲーションビューのメモをクリックし、空白部分で右クリックして「新規メモ」をクリック

名前を設定します。

新しく出来たメモ欄に、理論的メモノートとしてカテゴリー相互の関係や最終的なまとまりに関することなどを記します。作成した理論的メモノートは左側のナビゲーションビューのメモから確認することができます。

まとめ

少量のデータであれば手作業での分析も可能ですが、インタビューや観察調査のデータが10件、20件などと溜まってくることで質的データの管理は難しくなります。

データの量が大きくなる可能性がある場合、NVivoでデータ管理をされることをお勧めします。

M-GTAで質的研究に取り組まれている方はNVivoをご活用頂ければ幸いです

参考文献 木下康仁, 2007, 『ライブ講義M-GTA 実践的質的研究法 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて』 弘文堂.