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NVivoにアンケートを取り込んで分析をしてみよう

NVivoはエクセルファイルなどの表形式のアンケートデータをカンタンに取り込めます。 取り込んだデータは分析・可視化も可能です。

質的研究・混合研究法ではアンケート調査の分析が必要になることがありますが、アンケートの分析ツール・ソフトウェアとしてNVivoを使用することで効率的に分析することが可能です。 本稿ではエクセルファイルからのデータ取り込みと可視化機能の手順を説明します。

NVivoでのアンケート取り込み結果

アンケートを取り込む

  1. 上部のリボンのインポートから[アンケート]>[Excel]をクリックし、取り込みたいファイルを選択します。

    エクセルファイルをインポート

    ※このとき、必ず元のExcelファイルを閉じた状態で行ってください。使用中のファイルをNVivoは取り込むことができません。

  2. インポートウィザードが開き、データ取り込みの説明が表示されます。

    NVivo インポートウィザード画像

    回答者はケースとして、選択回答形式の回答はそのケースの属性として取り込まれます。そのため、NVivo内で各回答者を「ID-○○、性別-□、設問1に対する回答-はい」というような、属性を付与した形で扱うことができます。
    自由回答形式はコーディング可能なフィールドとして読み込まれ、同時にノードが作成されます。

  3. データの形式を確認します。質問の行は何行か、日付の形式はどうなっているかなどを指定し、データが正しく読み込まれるかどうか確認します。データの区切りなどに問題がなければ、「次へ」をクリックします。

    NVivo アンケートデータ形式の確認
  4. データの保存に関する指定をします。各回答者のケースはどこに保存するか、回答者の振り分けはどうするか、分類の名前の指定をおこないます。

    IDはエクセルファイル内の各項目が表示され、それに基づいてIDが設定されます。回答者ごとにIDを設定する場合(ID001,ID002や回答者1、回答者2など)、予めファイル内にID用の列を設定しておく必要があります。

    ID用の列が無い場合、例えば性別や年齢などの選択した属性でまとめたケースが作成され、個々の回答者に属性を付与することはできないのでご注意ください。

    指定が完了したら「次へ」をクリックします。

    NVivo アンケートデータ形式の確認
  5. 選択回答形式の質問と自由回答形式の質問を指定します。選択回答形式は属性として読み込まれ、自由回答形式はコーディング可能なフィールドとして読み込まれ、同時にノードが作成されます。不要な項目は「インポートしない」を選択して取り込まないようにすることが可能です。指定が完了したら「次へ」をクリックします。

    選択回答形式の質問と自由回答形式の質問を指定
  6. 自動コーディングを指定します。NVivo Windowsを使用している場合、テーマの自動コーディングと感情の自動コーディングをするかどうか指定ができます。自動コーディングをしない場合はチェックを外します。
    ※テーマと感情の自動コーディングはNVivo Macでは使用できません。
    指定が完了したら、「終了」をクリックしてインポートを開始します。

    自動コーディングの指定
  7. 指定に沿ってファイルがインポートされ、自動コーディングを指定した場合は自動コーディングをおこないます。

    データ処理画像

    これでインポートが完了し、NVivo内にファイルが取り込まれました。取り込んだファイルを確認してみましょう。

取り込んだアンケートデータ確認する

取り込んだファイルを確認してみましょう。

NVivo上でのアンケートの表示

[クリックして拡大]

選択回答形式を選択した項目はグレー背景で表示されており、自由回答形式を選択した項目は白背景で表示されています。選択回答形式を選択した項目は内容の確認はできますが、コーディングはできません。自由回答形式を選択した項目(白背景)はコーディングが可能です。

自由回答のコーディング

ケースを確認すると、個々の回答者ごとにケースが作成され、選択回答形式の回答が属性として紐づいているのが確認できます。属性は後述のクロス集計などで活用することが可能です。

アンケート回答の属性紐づけの確認

ノードを確認すると、自由回答形式の質問ごとにノードが作成され、コーディングされているのが確認できます。ここでは、各質問の回答だけを確認することができます。また、ここからコーディングすることも可能です。

ノードを確認すると、自由回答形式の質問ごとにノードが作成され、コーディングされているのが確認できる

テーマによる自動コーディングを確認すると、様々なテーマをコーディングしていることが確認できます。自動コーディングは自分でコーディングする前の手がかりとして利用したり、自分のコーディングと比較して着眼点などに違いがないか確認したりするのに便利です。

自動コーディングの内容を可視化機能で表示

アンケートデータを可視化、比較する

アンケートのデータを属性別に分類して、回答に属性別の傾向や差異があるのか比較したくなることがあると思います。その場合、クロス集計を使用するとカンタンに比較ができます。

クロス集計を使用する

ここでは、例でアンケート項目「水質に関する感想」の回答を男女別で確認してみます。

  1. 上部のリボンの探索より、クロス集計を選択し、クロス集計を呼び出します。

    上部のリボンより、クロス集計を選択
  2. クロス集計を呼び出し、対象のノードと属性を選択します。画面左の「+」をクリックし、ノードを選択。

    画面左の「+」をクリックし、ノードを選択
  3. 対象のノードを選択します。

    対象のノードを選択
  4. ノードを選択したら、次は属性を指定します。今回は男女別で集計するので、性別を選択して「クエリを実行」をクリック。

    性別を選択して「クエリを実行」をクリック
  5. 「水質に関する感想」が男女別で集計されました。

    「水質に関する感想」の男女別集計
  6. セル内の数字をクリックすると、該当する回答内容が表示されます。これで男性の回答、女性の回答だけを確認することが可能です。また、ここから自由回答形式の回答に対するコーディングも可能です。

クロス集計 応用編

クロス集計機能では属性を2つまで指定できるので、多重クロス表の作成も可能です。先ほどのクロス集計に、属性2としてここでは地域別の属性を足して集計してみます。

「男女別・地域別」x「水質に関する感想」の集計です。

「男女別・地域別」x「水質に関する感想」の集計結果

セル内の数字をクリックすると、該当する回答内容が表示されます。属性別に自由回答を確認したい場合もセルをクリックして表示させるだけで確認できます。。

クロス集計機能の集計内容は行ごと、列ごとのパーセンテージ表示も可能です。比率を確認できるので、データの量的な把握もできます。

こちらも同様に、ここから自由回答形式の回答に対するコーディングも可能です。

コーディングストライプの画像

クロス集計はインタビューデータなど、アンケートデータ以外でも活用できます。属性別のコードを比較する際に使用すると便利です。作成した表はエクセルやSPSS用の形式でエクスポートすることも可能です。統計分析用のデータとしても使用できます。

ワードクラウドを使用して、回答の傾向を可視化する

ワードクラウドを使用すると頻出語の可視化が可能です。各回答における傾向などをザっと把握したりするときに便利です。

ここでは、アンケートの回答で頻出語を確認したいノードを選択し、上部リボンのホームから[視覚化]>[ワードクラウド]を選択します。

視覚化からワードクラウドを選択

頻出語をNVivoが分析し、ワードクラウドの形で表示します。

NVivoが作成したワードクラウド

語数のカウント、重み付けパーセンテージなどの定量データでも頻出語の内容を確認できます。

語数のカウント、重み付けパーセンテージなどの定量データでも頻出語の内容を確認

結果の語数カウントやワードクラウド内に不必要な単語(副詞などの無意味な言葉など)が混じっていた場合、右クリックして停止語リストに追加することで、次回クエリを実行したときからその単語を表示させないことが可能です。

これらの機能を活用することで、研究を効率化し、より深い分析が可能になります。